>>> 通過型観光から、滞在型観光へ。まるでなにかのお題目のような始まり。この度の函館旅行では滞在中に機会があって、なんだかその難しそうな楽しそうなそんなトークセッションに参加することになった。

  近頃の私は、ずいぶん北海道と縁が深くなった。函館へも、市街から車で1時間ほどの距離にある大沼へ行くのも今年は2度目になる。大沼は駒ヶ岳の麓に広がり、湖と呼んだ方が相応しいほど大きい沼である。周遊道路を車で走っていると、木々の合間からその都度表情の異なる水辺が現れる。青い水、緑の水。早い秋の訪れで木々が赤橙黄と様々な色に染まり、それは息を呑む美しさ。ここはなんて色が多いところなんだろう。

  函館に着いた翌日、その大沼のほとりにある施設で冒頭の題目のイベントが開催された。ゲストには都市開発プロデューサー・浜野安宏氏、参加者は大沼と函館の住民、観光協会の方などがほとんどで、私たちは飛び入り参加という感じ。大沼は観光客が多く訪れる函館から、近い距離あるにもかかわらず、年々観光客の滞在日数が減っているという。その現状をどのように打開するか…。浜野氏の話は地元の方達には新鮮で斬新だっとようで、皆深く頷いて聞いていた。その観光についての話はもちろん、彼のこれまでの仕事の話が私は興味深かった。ある程度は知っているつもりであったけれど、東急ハンズや渋谷のQ-FRONT、原宿のキャットストリートとあれもこれも氏の発想によるものだと知って驚いた。この先の仕事で渋谷の円山町の開発があるそうだ。ホテル街というイメージがいまだに抜けないあの場所がどんなふうに変わっていくのかとても楽しみである。

  トークセッションの後には、それまでのかしこまった雰囲気から一転。ライブとビュッフェを囲んだパーティが始まった。食事は友だちのお母さんのレストランのお料理。これを目当てに訪れるお客さんもいて、いつの間にかに会場は大混雑。手の込んだオードブルやジビエ料理をいただいていたら、それも納得頷ける。だってとっても美味しいのだもの。ジャズのライブもカッコ良くて、素敵な時間をたっぷり堪能。なんだかお勉強の後のご褒美みたいな気がした。

>>> 3日目。北海道に訪れたら毎回一度は必ずしておきたいこと。それは市場でどんぶりを食べること。この度も函館の駅前市場のきくよでウニいくらエビ丼を注文。あぁ、自分で撮ったどんぶりの写真を見ているとまた食べたくなる!ここの食堂はどんぶりと一緒に海苔のおみそ汁を出してくれるからうれしい。磯の香りたっぷり、お腹も気分も大満足になります。

 お昼からは大沼のさらに北、南茅部にチカ釣りをしに友だちのお父さんに連れて行ってもらった。ここ最近地元新聞にも取り上げられるくらいチカが大漁だそうで、港に着くと大勢の釣り人が1m間隔で並んでいた。こんなに人がいて釣れるのかしらと不安になりながらも、いざチカ釣り挑戦!もちろんチカ釣り初。針に掛かっても手応えはほとんどなく、だからウキの動きを敏感に察知して竿を上げないといけない。私にはなかなか難しく、釣れても小さいのばかり。隣ではバシバシ釣っているのになぁ。くやしいなぁ。でも夕方まで頑張って、小ぶりながらも3人で30匹くらいは釣れた。

  今晩は函館に戻らず、前回もお世話になった駒ヶ岳にあるシェフのおうちに4人でお世話になる。私と友人とダディとマミィ。友だちのお父さんとお母さんは愛称のように皆にそう呼ばれている。秋とはいえ北海道はやはり寒くて、釣りに熱中している間に手足がものすごく冷えてしまった。帰り掛けにお湯に浸かりに、ちゃっぷ林館に行く。チャップリンカン、なんだか可愛らしい名前だ。エントランスでは地元の人の作った野菜やキムチなんかが売られていて、なんだか和む雰囲気だ。ここで偶然、仕事帰りのシェフに会って、皆で一緒に家に帰った。お夕飯には釣ってきたチカをからっとフライにしてレモンをぎゅっと絞って。茹でたじゃがいもを見てニース風サラダを作ろうと思い立って、アンチョビがなかったけど鮭のパテ缶を入れてみたらそれが思い掛けず素敵な味。それと豪華に鯛の香草焼きや、お土産に東京から持ってきた青菜の漬け物刻んでたっぷり白いご飯に混ぜたり。とにかくすべてが美味しくて幸せだった。きっと私たち、とっても食いしん坊の集まりなんだろう。キキとクリスも満足そうだ。(つづく)