>>> 三ヶ月のパリ滞在中。まず最初の旅行はモナコグランプリ観戦ツアーと題してニースへ。パリからは私含めて4人、東京からも4人合流して合計8人の集まり。初めて会う人たちもいるので、どんな旅になるのか想像がつかない。私の友人は東京からパリ経由で、ニースに早朝着く便でやってくる。それに合わせたために、朝4時45分起き眠い目を擦りながら飛行場へ向かう。オルリー空港はけっこう不案内で、迷いながらもなんとかチェックイン。まだまだフランス語には慣れていないので、久々にひとりが心細い気持ちに。それでも飛行機に乗ってしまえば、あとは南仏の気候を想像して、すでに夢の中。

2年ぶり2回目のニース。想像どおり、なんてこの街、この地方は気持ちがいいこと! この2,3日、パリは寒くて必ず一日に一度は雨が降るし、人は不愛想だし。ちょっと心が荒み始めていた。なのでなんとも良いタイミングでコートダジュール来たことか。飛行場で友人とも無事に再会を果たし、ほっと一息。ニースで泊まるホテルはVillefranche、ヴィルフランシュという中心地から車で20分くらいの小さな港町。宿に荷物を置いて、まずはランチをとりに町の散策へ。海に向かって降りていく斜面につくられた町、港付近は城壁が残る旧市街になっている。マリーナ付近にはレストランが軒を連ね、なかなかの活気。こんなところにヨットで停泊したら楽しいだろうなぁ。当てずっぽうで選んだレストランでは海の近くということでシーフードの料理をいただく。サーモンのタルタル。フランスのサーモンは脂がほどよくのっていて、身の締まり方も絶妙。かなり美味しく、サーモン好きの私はメインにもサーモングリルを注文。サーモンばかり食べ過ぎ!? やっぱりそのうちカラダがピンクになるかも。

海が眺められるテラスへの扉を開け放して、午後はゆっくり部屋でひと休み。夜は車でカンヌへ行く。カンヌはまさに映画祭の最中で、とにかく賑やか。宣伝ボードが溢れる町は決して美しいもではなく、ガラガラとカンヌのイメージが崩れていく。他にはヴェネチア映画祭しか訪れたことがないけれど、こんなにも映画祭の雰囲気って異なるんだなぁ。そして監督週間、西川美和監督作品『ゆれる』を観る。お祭り騒ぎのカンヌ、締めも花火で騒々しく。

>>> 翌朝、目の前に海が広がるテラス席で朝食をいただく。シンプルなんだけどこんなに贅沢で気持ちいいことはない。ここのところ私の朝食メニューは決まっていて、ヨーグルトとバケットにバタとジャム、そしてカフェオレ。豪華客船が汽笛を鳴らしながら湾をでていく。次はどこの港に行くのだろう。彼らもモナコグランプリを観に行くのだろうか。白い帆を張ったヨットを眺めていると、いつか自分も船で地中海を廻ることができたらいいなぁ、と途方もない思いに耽ってしまう。

久々にゆったりとした朝食を終えた後、ちょっと遠出をしてヴァンスへ行くことに。ニースからバスで1時間ほどのこの町には、マティスが晩年につくったという礼拝堂がある。ニースは二度目ということもあってバスにも乗りなれたもので、なんなく長距離ターミナルから出発。コートダジュールには“鷲の巣村”と呼ばれる城壁に囲まれた街がいくつかあって、ヴァンスもそのひとつ。前回の旅ではエズという断崖絶壁の上にある、星付きのレストランがふたつもある町に訪れ、忘れがたい素敵な思い出ができた。バスに揺られていると、ひとつ谷を越えたむこうの山に城壁が見えてきた。ヴァンス・サンポールに着く。皆につられて降りてしまったけど、???どうやらここは目的の鷲の巣村ではない!さらにバスで行ったところらしかった…。でもインフォメーションで聞いていると、どうやら今日は特別な祝日で礼拝堂はお休みらしい。なんだか複雑な気分で、仕方なしに間違ってバスを降りてしまったここサンポールを見学することに。マティスの礼拝堂はずっと訪れてみたかった場所なので、今回願いが叶わないのが残念でしょうがない。だけどこれで南仏に再び訪れる理由ができたかも、とプラス思考に移行。

坂道を上って城壁をくぐるとまるでそこは迷路のような町が広がっていた。花が溢れ中世の雰囲気が残り、小さなギャラリーや画廊がたくさんある。芸術村とも呼ばれているそう。ホテルやレストランは隠れ家的雰囲気で、町はずれにはシャガールが眠る墓地。広場ではおじさんたちがペタンクに夢中になっていた。単純なルールで面白そうなこのゲーム、日本では流行らないけれど、家に帰ったらミニチュアがあったはずだから遊んでみようかな。

ランチを通りかかった可愛らしいレストランLa Cocardeでいただく。マダムがひとりでレジもホールもやっていて、フランスらしい相変わらずスローなサービスなんだけれど、料理は最高! サラダニソワーズと本日のお料理、若鶏の香草焼きと付け合わせにフルカッセという豆ズッキーニ茄子などをカレー風味を効かせて煮込んだものをいただく。美味しい〜。フランスの田舎町らしい素敵なお料理でした。オリジナルのハウスワインもあって、お土産にしたいけれど重さに断念。はじめは礼拝堂が見られないことに落ち込んでいたけど、結局この村に落ち着いて素敵な雰囲気を味わって良かったかも! 

ディナーは今回のモナコ旅行参加者一同集まって8人で食卓を囲む。フランス語で頑固者という意味のRestaurant TETOU、レストラントゥトウでいただく。遠くから足を運ぶお客さんも多いという名店はブイヤベースが名物。ブイヤベースの魚介はだしが出きって空かすかな身になっていることがほとんどだけれど、ここの店のは魚介とスープは別々に作っているのかしらと思うくらいに、すべてぎっしりむちむち。スープにもしっかり出汁が効いる。アリオリソースをカリカリのパンに塗って、スープに浸して食べる。お魚を食べる。スープを飲む。この繰り返しが止まらない。デザートはメゾンのオススメ、揚げパンを。あたたかい揚げパンに、トマトやアプリコット、フレーズにアナナ(パイナップル)いろんな自家製ジャムとクリームをたっぷり付けていただくと、これが素朴で美味しい。大満足、満腹の夜でした。つづく